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第1回

F.LL.ライトの住宅を訪ねて廻る

ボロバイクでアメリカ中を走り回った

 

 

ライトの設計事務所・建築学校であるタリアセンに私が留学できたのは31歳のころでした。

すでにライトは他界していましたが、ライト夫人と娘、弟子たちとその家族、学生たち合計70人ほどが、共同生活をしていました。

ライトは、生涯400棟を越える住宅を完成させています。

私タリアセンにが在籍していた頃は、まだインターネットもなく情報が少ない時代でしたが、所在を調べ、手当たり次第に訪ねたわけです。

ライトの住宅は、校外にあることが多く公共交通機関ではなかなかたどり着けません。

中古バイクを手に入れ、ひたすら走り回りました。訪ねた家は100棟を超えます。

事前に連絡がつかないお宅も多く、玄関でピンポンとベルを押し、タリアセンの学生であることを告げると、突然の訪問でも室内まで見せていただけることも多くありました。

 

ライト夫妻。Taliesin East 食堂にて。(1957年 撮影=遠藤楽)

 

写真集や書籍でよく見かける有名な住宅、あまり知られていないもの、すべてで感じたことはライトの住宅に対する情熱です。

常に何か新しいことにトライしようとしている姿勢がうかがわれるのです。

ライトが生涯貫いたのは、“健全なアメリカの住宅をいかに造るか”というチャレンジ精神です。

ライトが生まれたころは、馬車の時代でした。

生活様式は大きく変化しましたが、未だに愛され住み次がれています。

その魅力を知ることは、私たちが携わる現代日本の住宅にも大切なキーポイントを教えてくれることになると思います。

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