■静岡の家Ⅱ

■耐震性
東海沖地震の発生が危惧されて久しい。耐震等級を3にするだけでなく、大きな余震の繰り返しに備えて、制震ダンパーも組み込んだ。
耐震性に優れながら南面に大開口部を設け半戸外を積極的に室内に引き込む計画である。開口部と吹き抜けの組み合わせで伸びやかな空間をつくり、冬の陽当たりを確保する。夏は大きな庇とシンボルツリーで日射をコントロールしている。

■町並みに緑を
竣工直後の写真なのでまだ育っていないが、ネットフェンスにテイカカズラが絡ませてある。
2階までの高さのあるシンボルツリーはアオダモ。新緑と紅葉が楽しみである。蛇籠で包んだ石垣も緑化を期待している。室内からの眺めだけでなく、町並みの緑化にも寄与するはずである。

■南北両面採光と通風
南面はウッドデッキとシンボルツリー、北面はカーポートの奥に緑地を設けて、風と視線が南北に抜けるように配置した。
北側の緑化は隣家とのプライバシーを保ち涼しい風を呼び込むことができる。

■戸外を取り込む
わずか一坪の植栽だが、来春は十分な緑のボリュームになるはず。
大きなバルコニーが屋根となり半戸外空間を作り出す。
開口部は、1間半の引き込みになっているので、ウッドデッキと植栽が室内と繋がり連続してたスペースとなる。
道路との境界は、高めの板塀とネットフェンスに絡めたツタ(テイカカズラ)でプライバシーを確保する予定である。

■可変な間仕切、増床
耐震等級3で有りながら、室内に耐力壁はない。将来、間仕切りを外すのも付け加えるのも耐震性能を落とさずできる。吹き抜けには床梁が渡してあり、床板を乗せるだけで増床も可能である。将来の家族構成の変化や設備更新が容易な計画である。

■図面(クリックで拡大表示)